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朝練。それは全国最強クラスに挑む初夏の風物詩である。毎日、天気予報をチェック。誰よりも先にベストポジションを確保して、現地でマルヨ。撮影後はそのまま出勤というハードな仕業をこなす2ヶ月が続くのである。昨年、埼玉県北部での朝練に新たなターゲットが加わった。EF640番台のあけぼのである。登板当初から一年限定の噂が流れており、数年間神保原を訪れていなかった私も天気予報を伺う日々が続いた。 前線通過直後の5月15日未明、戦友ゴルきち氏とともに星空バリ見えの関越道を下った。まだ能登、北陸にはちょっと早い5月半ばである。この日のターゲットは原色38号機が牽引するあけぼのだった。案の定、4:47通過の能登は朝日が当たらず、シャッターを切らずに見送った。次は10分後の北陸であるが、たぶん無理だろう。そもそも能登と北陸は何度もここで一発卒業レベルを仕留めている。今日の本命はあけぼのなのである。北陸は撮れなくてもかまわない。しかし、予想はいい意味で裏切られる。昇り始めた太陽はたったの10分で眩しいエロ光線をアングル内に照らし始めたのである。勝てる！露出を合わせ直し、列車を待つ。神流川を渡る音が聞こえる。来た！クリームの前面警戒色をオレンジに染め上げて、北陸は目の前を駆け抜けていった。あれから10ヶ月、今改正で全国最強クラスのコイツもついに消滅。サボった朝練を後悔してももう遅い。 |